理事長挨拶

理事長
一般社団法人 日本顎関節学会
理事長 鱒見進一

このたび、近藤壽郎前理事長の後任として、理事長を務めさせて戴くこととなりました。何卒よろしくお願い申し上げます。

日本顎関節学会は、顎関節および関連領域の研究、臨床、教育とこれらの専門性を生かして国民の健康と福祉に寄与できる学術団体として、1988年に設立されました。本学会の前身として1980年に設立された顎関節研究会から数えますと、40年を超えて継続する学会であります。

本学会が抱える課題として、まずは近年の会員減少の問題があります。他学会も同様と思われますが、若手研究者の確保を学会として重要な課題です。そのためには、近藤前理事長も述べられておりますように、顎関節症やその他の顎・咀嚼器に関連する疾患に対する系統的な診断治療体系について、質の高い教育を施すための全国標準カリキュラムを策定する必要があります。かつて学会場で熱く語っていた時代を過ごした会員の一人としては、近年の会員減少に歯止めをかけるべく、若手研究者が興奮するような画期的な技術や治療法が開発されることを期待しております。つぎに専門医制度の整備が挙げられます.現在、一般社団法人日本歯科専門医機構の下で日本歯科医学会専門分科会における専門医の見直しが検討されております。患者さんから信頼される標準的な顎関節領域の標準的な医療を提供できる専門家を多く輩出するためにも、また適切な標榜専門医の獲得のためにも専門医制度の整備は急務であります。つぎにDC/TMDをベースとした診断の確立が挙げられます。本件につきましては、現在世界中で様々な取り組みが行われております。本学会でも学術委員会を中心に活動を行っておりますが、日本国内における顎関節症の診断の標準化のためにもさらに啓発していく必要があります。

研究面では、社会の高齢化に伴う顎関節疾患の構成の変化に関わる種々の研究への取り組みが必要でしょうし、新たに保険収載された睡眠時ブラキシズムに対する筋電図検査、顎関節人工関節全置換術、顎関節授動術等に関しましては、本学会が主導的立場となり教育していく必要があると思います。また、これからの日本顎関節学会の立ち位置としては、口腔顔面痛学会、AAOT、アジア顎関節学会と協調しながら、常に世界をリードする学会であり続けたいと考えます。

歴代理事長はじめ諸先輩の努力と業績に敬意を払いつつ2年間の理事長任期の間、本学会の発展にわずかでも寄与できますよう努める所存です。本学会会員ならびにご関係の皆様のご協力、ご指導のほどよろしくお願いいたします。