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会長挨拶

大会長 古谷野潔 九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座 インプラント・義歯補綴学分野

 第27回一般社団法人日本顎関節学会総会・学術大会のご案内をさせていただきます。

 本学会が福岡の地で開催されるのは,遡ること30年,顎関節研究会の第4回大会(1983年,岡 増一郎大会長),およびミレニアムの第13回大会(2000年,神田重信大会長)以来,3度目となります。

 前報でもご紹介しましたように,最近の国内外における顎関節症およびTMD(Temporomandibular Disorders)関連領域の変化を受けて,本総会・学術大会のメインテーマを「世界の潮流から考える顎関節症治療の将来展望」とし,メインシンポジウムでは,「世界の潮流から考えるこれからの顎関節症治療:分類,診断基準の変革がもたらすもの」と題して,メインテーマに沿った情報提供と今後の方向性について議論していただきます。

 シンポジウム1では,「顎関節症の病因としてのブラキシズムの役割を探る」と題して,睡眠時ブラキシズムおよび覚醒時ブラキシズムは果たして顎関節症の病因であるか? という観点でエビデンスを整理し,科学的な見地から検討していただきます。

 また,現在顎関節症に対する保存的治療の主軸と考えられる理学療法と薬物療法に注目し,明日からの臨床に供すべく実際の臨床現場における現状について情報提供を行っていただきます。シンポジウム2では,「顎関節症に対する理学療法の実際」と題して,本邦でもますます関心が高まっている理学療法について,各演者の立場から臨床現場における情報を提供していただき,その現状と問題点について議論していただきます。シンポジウム3では,「顎関節症に対する薬物療法の実際」と題して,関節痛および慢性筋痛への薬物療法について,および一般臨床医が行う薬物療法とその問題点について議論していただきます。

 教育講演では,「顎関節の臨床局所解剖」と題して,診断,治療に必須の解剖学的知識について臨床的な見地から解説していただきます。

 また,イブニングセミナーについては,「一般臨床医が治す顎関節症 ―問診・診察・検査・鑑別診断・治療―」と題して,一般臨床医の立場から顎関節症臨床を解説していただきます。

 ハンズオンセミナーでは,第25回大会時のセミナーの続編として,「顎関節腔穿刺法および関節腔洗浄療法の実際と応用」を行っていただきます。

 学術奨励賞受賞講演としては,「ウサギ大脳皮質咀嚼野電気刺激により誘発された咀嚼様運動時の作業側顎関節における下顎頭と関節円板の協調運動」について報告していただきます。

 また,例年どおり,一般口演,ポスター発表も行いますので,奮ってご応募いただきたいと存じます。

 2013年の夏は日本全国で未曾有の酷暑を経験しましたが,ここ福岡の夏の平均気温も過去最高を記録いたしました。第27回大会の期間中も猛暑が予想されますので,このところ慣例となっているクールビズを実施させていただきます。

 最後になりますが,大会諸行事を確定するに際して,久保田英朗理事長をはじめ役員ならびに会員の皆様に,大変お世話になりました。誌面をお借りして厚くお礼申し上げます。本学会がご参加の皆様にとって実りある有意義なものとなりますよう,準備を尽くして参りますので,多数の皆様方のご参加とご協力をお願い申し上げます。