開催概要・日程表・プログラム
■ 開催概要
- 大会長
- 久保田 英朗
- 準備委員長
- 檀上 敦
- 主 管
- 佐賀大学医学部 歯科口腔外科学講座
- 会 期
- 2016年7月17日(日),18日(月祝)
- 会 場
- 湯本富士屋ホテル
〒250-0392 神奈川県足柄下郡箱根町湯本256-1 - メインテーマ
- 「日本の顎関節症治療を変える」-臨床研究と科学の調和をめざして-
■ 日程表
※上記日程表は2016年3月21日の情報となります。
更新されましたら、トップページの新着情報に情報を開示致します。
■ プログラム・7月17日(日)
教育セミナー1
7月17日(日)9:05-10:00 A会場(箱根中)
「初心者にもわかる顎関節症治療」
座 長: | 佐々木啓一(東北大学大学院 歯学研究科 口腔機能形態学講座 口腔システム補綴学分野) |
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講 師: | 和嶋浩一(慶應義塾大学医学部歯科・口腔外科学教室) |
- -セッションのねらい-
- 本セミナーでは開業医及び若手歯科医師を対象に、1)顎関節症病態分類2013に基づいた顎関節症診査・診断の具体的方法、2)病態診断に原因推定を加えて病態仮説を立てる、3)病態仮説に応じた対症(対病態)療法、原因療法からなる基本的治療法の選択組み合わせ、4)複合病態での症状変化に対する治療法の選択など、基本知識を臨床にどの様に活かして治療を行うかについて解説し、今後の学習のポイントを提示する。
メインシンポジウム
7月17日(日)10:00-12:00 A会場(箱根中)
「顎関節症病態分類2013の実施と検証」
座 長: | 覚道健治(大阪歯科大学口腔外科学第2講座) |
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久保田英朗(佐賀大学医学部歯科口腔外科学講座) |
講 師: | 1.事前アンケート結果 久保田英朗(佐賀大学医学部歯科口腔外科学講座) |
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2.顎関節症病態分類2013 矢谷博文(大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 クラウンブリッジ補綴学分野) |
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3.DC/TMD(TMDの診断基準) 日本語版 築山能大(九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座 インプラント・義歯補綴学分野) |
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4.診断樹の活用法 有馬太郎(北海道大学大学院歯学研究科国際歯科部門) |
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5.重複診断結果を治療にどのように活用するか 松香芳三 (徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 生体システム栄養科学部門 摂食機能制御学講座 顎機能咬合再建学分野) |
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6.アンケートに書かれた問題点の検討 覚道健治(大阪歯科大学口腔外科学第2講座) |
- -セッションのねらい-
- 本学会では、顎関節症の病態分類を2013年にDiagnostic Criteria/Temporomandibular Disorders (DC/TMD)に則して改訂した。学会は、全国都道府県の歯科医師会に顎関節症病態分類2013解説講演会の開催を提案しその普及に努めている。現在まで約3年が経過し、全国の指導施設での本病態分類の導入状況と施行に関する問題点を調査している。本シンポジウムでは調査結果に基づき、顎関節症病態分類2013の臨床や教育への普及状況、問題点などを明らかにし、さらに、診断基準、診断樹の活用法、重複診断の場合の対応等、臨床で問題となる事柄を明示し、解決策を提案する。顎関節症病態分類2013により、本学会会員が世界標準の顎関節症の診断と治療を実施できる事を目指して企画された。
ランチョンセミナー
7月17日(日)12:05-13:00 B会場(箱根西)
「咀嚼筋腱・腱膜過形成症の鑑別診断と手術術式」
講 師: | 覚道健治(大阪歯科大学口腔外科学第二講座) |
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協 賛:メディア株式会社
シンポジウム1
7月17日(日)14:10-15:10 A会場(箱根中)
「神経学的異常による顎関節脱臼の治療戦略」
座 長: | 栗田賢一(愛知学院大学歯学部顎口腔外科学講座) |
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依田哲也(埼玉医科大学医学部口腔外科学講座) |
講 師: | 1.神経学的異常による顎関節脱臼の現状 川上哲司(奈良県立医科大学口腔外科学講座) |
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2.神経学的解説:顎関節脱臼の発生に関与する神経学的病態 堀川博誠(奈良県立医科大学附属病院 リハビリテーション科) |
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3.ジストニアによる顎関節脱臼とボツリヌス治療 吉田和也(国立病院機構 京都医療センター 歯科口腔外科) |
- -セッションのねらい-
- 高齢者の顎関節脱臼のメカニズムに関して、関節結節の平坦化、下顎頭の可動性亢進、閉口筋の萎縮などに加えて、中枢神経障害が関与していることが推察されている。1)神経遮断薬の副作用等による錐体外路障害として、外側翼突筋の緊張亢進、また、閉口筋の緊張、2)脳卒中後の錐体路障害による閉口筋の筋緊張低下、などが脱臼の原因となっている事がある。中枢神経障害による顎関節脱臼の実態、神経学的異常の解説、ジストニアによる脱臼の提示によって、今後の顎関節脱臼治療の方向性を検討する機会としたい。
教育セミナー2
7月17日(日)15:15-16:15 A会場(箱根中)
「見逃してはならない顎関節症に類似した症状を来す疾患」
座 長: | 村上賢一郎(赤穂市民病院歯科口腔外科) |
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近藤壽郎(日本大学松戸歯学部 顎顔面外科学講座) | |
講 師: | 症例1:開口障害および摂食障害から顎関節症が疑われた1例 佐藤淳(北海道大学大学院歯学研究科口腔病態学講座口腔診断内科学教室) |
症例2:咀嚼時の疼痛から顎関節症が疑われた1例 佐藤仁(昭和大学歯学部口腔外科学講座顎顔面口腔外科学部門) |
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症例3:左側顎関節の痛みから顎関節症が疑われた1例 高原楠旻(東京医科歯科大学大学院顎口腔外科学分野) |
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症例4:顎関節部の機能時痛と開口障害によって顎関節症が疑われた1例 小木信美(愛知学院大学歯学部顎口腔外科学講座) |
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症例5:閉口障害から顎関節症が疑われた1例 津島文彦(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科顎口腔外科学分野) |
- -セッションのねらい-
- 日常診療の中で顎関節症を疑いながらも鑑別診断に苦慮する場合がある。また顎関節症様症状はあったが、実は異なった疾患であった例を経験した臨床医も少なくないと思う。本セミナーではそのような症例について最終診断をマスクして症例の概要を呈示して頂き、参加者と質疑応答を行ったあとに確定診断への過程を提示してもらい、その根拠となった所見、さらに具体的な治療について述べて頂き、参加者の今後の診療に役立てようとする企画である。
イブニングセミナー
7月17日(日)16:20-18:20 A会場(箱根中)
「セルフケアで治す顎関節症」
座 長: | 島田淳(グリーンデンタルクリニック) |
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髙野直久(髙野歯科医院) |
講 師: | 1.顎関節症治療におけるセルフケアの考え方 島田淳(グリーンデンタルクリニック) |
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2.患者の背景因子を治療に繋げるための医療面接 渡邊友希 (昭和大学歯学部顎関節症治療科兼任講師/メディカルパレットデンタルオフィス&カウンセリングオフィス) |
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3.運動療法を行う上での病態の見方 澁谷智明(日立製作所横浜健康管理センタ) |
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4.顎関節症患者の心理カウンセリング ―訴えの多い患者さんとどうかかわるか― 渡邉勉(目白大学人間学部心理カウンセリング学科) |
- -セッションのねらい-
- 最近の顎関節症治療として生活習慣や悪習癖に対する指導や運動療法などのセルフケアが重要とされている。患者の病態に応じてセルフケアを選択し、患者教育のなかで効果が上がるように工夫しながら伝える。顎関節症患者の背景には心理、精神的、社会的、環境的など様々な問題が隠れている場合があり、治療の為にこれらの背景にもアプローチしなければならない場合もある。米国では歯科医師と臨床心理士などによるチームアップローチがなされるが我が国では歯科医師自身で行う必要がある。本セミナーではセルフケアの考え方、セルフケア選択のための病態の見方、医療面接の仕方、さらに歯科医師に必要な心理カウンセリングについて具体的に解説する。
ハンズオンセミナー
7月17日(日)16:20-18:20 D会場「相模」
「DC-TMDの診断法-筋圧痛診査と関節痛誘発試験-」
第1部16:20-17:00 第2部 17:00-17:40 第3部 17:40-18:20
座 長: | 築山能大(九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座 インプラント・義歯補綴学分野) |
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インストラクター: | 和嶋浩一(慶應義塾大学医学部歯科・口腔外科学教室) |
小見山道(日本大学松戸歯学部顎口腔機能治療学) | |
大久保昌和(日本大学松戸歯学部有床義歯補綴学) | |
石垣尚一(大阪大学大学院歯学研究科歯科補綴学第一教室) | |
原節宏(日本歯科大学病院顎関節症診療センター) | |
松香芳三(徳島大学大学院医歯薬学研究部顎機能咬合再建学分野) | |
村岡渡(川崎市立井田病院歯科口腔外科) | |
有馬太郎(北海道大学大学院歯学研究科国際歯科部門) | |
鳥巣哲朗(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻展開医療科学講座歯科補綴学分野) | |
前川賢治(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科インプラント再生補綴学分野) | |
佐藤仁(昭和大学歯学部口腔外科学講座顎顔面口腔外科学部門) |
- -セッションのねらい-
- アゴの痛み、関節痛と筋痛の鑑別が正しく出来ていますか、あなたの診査法、自己流ではありませんか。2013顎関節症病態分類に従って、筋痛、関節痛を診断するには標準的診査手技の習得が必須である。昨年の学術大会からDC/TMDに準拠した筋圧痛診査法のハンズオンセミナーを組み入れた。一班6人にインストラクター1名が付き、インストラクターによる受講者の触診、受講者間での相互実習を行う。本ハンズオン受講によってあなたの触診法が変わるであろう。今年は増席したが早々に満席が予想される。全会員の受講を目指して継続して開催予定であるが早期の受講が望まれる。
■ プログラム・7月18日(月祝)
教育セミナー3
7月18日(月祝)9:30-10:30 A会場(箱根中)
「慢性疼痛への心身医療/歯を食いしばってがんばってきた人々への癒しを創造するアプローチ」
座 長: | 古谷野 潔(九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座 インプラント・義歯補綴学分野) |
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講 師: | 細井昌子(九州大学病院心療内科) |
- -セッションのねらい-
- 慢性の難治な顎関節症患者の一部には「歯をくいしばって生きてきた」結果として、「交感神経緊張状態の持続」などが特徴的に認められる。このような患者に対して、噛みしめ是正を提案しても改善が得られない、何故か? このような患者さんは心身症としてとらえて、生育歴から最近に受けた治療への恨み、辛みなどを聞き出し、それを解いていき、患者自身が噛みしめ是正を実行できる状況に持っていく必要がある。慢性疼痛の心身医学的治療を専門とする演者の話は今後のTMD治療の一つの方向性を示す貴重な機会になると期待される。
招聘講演
7月18日(月祝)10:30-11:30 A会場(箱根中)
「DC/TMD consortium update」
座 長: | 久保田英朗(佐賀大学医学部歯科口腔外科学講座) |
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講 師: | Per Alstergren (Malmö University, Orofacial Pain Unit, Malmö, Sweden) |
- -セッションのねらい-
- 本学会のメインシンポジウムにも取り上げたDC/TMD consortium のコアメンバーの一人である、Per Alstergren教授にDC/TMD完成までの経緯と現状での問題点、今後の展望などについて解説してもらう。DC/TMD作成に携わった演者からDC/TMDのKeyポイントを聞き出すことができる貴重な講演である。
シンポジウム2
7月18日(月祝)13:30-15:00 A会場(箱根中)
「変形性顎関節症への取り組み -小児から高齢者まで-」
座 長: | 小林 馨(鶴見大学歯学部口腔顎顔面放射線・画像診断学講座) |
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矢谷博文(大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座 クラウンブリッジ補綴学分野) |
講 師: | 1.Idiopathic Condylar Resorption(ICR)の病態と臨床 髙橋哲(東北大学大学院歯学研究科 口腔病態外科学講座 顎顔面・口腔外科学分野) |
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2.画像からみた変形性顎関節症と特発性下顎吸収の中長期経過 五十嵐千浪(鶴見大学歯学部口腔顎顔面 放射線・画像診断学講座) |
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3.成長期児童における変形性顎関節症の発症率とそのリスク因子 田中栄二(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 口腔顎顔面矯正学) |
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4.顎関節OAによる咬合変化に対する補綴治療 安定する咬合位は? 窪木拓男(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 インプラント再生補綴学分野) |
- -セッションのねらい-
- 若年の女性に突然生ずるIdiopathic Condylar Resorptionによる前歯部開口、変形性顎関節症による下顎頭吸収の結果としての下顎偏位、咬合異常などは顎関節症のもっともやっかいな後遺症である。乳歯列期、交換期に素因は無いのか、ICR、OAの発症原因、骨吸収のメカニズム、骨吸収を止めるには、そして、どのような経過を辿るのか、生じてしまった咬合異常への対応は、どのような咬合位が望ましいのか、安定するのか、等々、変形性顎関節症、ICRに関して判らないことがいっぱいである。このような疑問に答えるべく企画されたシンポジウムである。
教育セミナー4
7月18日(月祝)15:00-16:00 A会場(箱根中)
「顎関節キャダヴァーワークショップによる顎関節手術手技研修」
座 長: | 柴田考典(北海道医療大学歯学部 生体機能・病態学系 組織再建口腔外科学分野) |
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講 師: | 1.顎関節キャダヴァーワークショップの現況報告と問題点 柴田考典(北海道医療大学歯学部 生体機能・病態学系 組織再建口腔外科学分野) |
2.Cadaverを用いた顎関節腔穿刺 高木律男(新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔生命科学専攻 口腔健康科学講座 顎顔面口腔外科学分野) |
- -セッションのねらい-
- キャダヴァーワークショップというと、学生時代の解剖実習を思い出す方がいるかもしれない。しかし、このセミナーに参加すればそのような考えが間違っていた事に気付くであろう。特殊な処理をされたご遺体の関節には可動性があり、皮膚、筋肉は柔らかく、かつ清潔な環境下で手術シミュレーションと実際のトレーニングが可能である。近年の日本外科学会と解剖学会の努力により一定の条件下で顎関節外科手術のワークショップの開催が可能になり、今後も、継続開催の予定である。顎関節キャダヴァーワークショップに関心のある方はまずは本セミナーで概要を把握する事を勧める。
教育セミナー5
7月18日(月祝)15:00-16:00 B会場(箱根西)
「EBMを活用した顎関節疾患の臨床-システマティックレビュー、メタアナリシス論文を読み解く-」
座 長: | 杉崎正志(東京慈恵会医科大学) |
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木野孔司(木野顎関節研究所) | |
講 師: | 1.診療に役立つ文献選択 齋藤 高(たかいそ海岸歯科) |
2.読んだ論文内容で注意すべきこと 西山 暁(東京医科歯科大口腔顔面痛制御学分野 顎関節治療部) |
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3.診療ガイドラインの読み方 深澤敏弘(深沢歯科医院) |
- -セッションのねらい-
- 様々な顎関節疾患の診断と治療に根拠のある診療が求められている。例えばある疾患についての症例報告に科学的エビデンスがあるとは限らない。
システマティックレビューとは、特定の疾患や治療法について臨床試験の論文を集め、その内容をまとめて評価することで、最近では、試験の実施計画や実施状況、解析方法など一定の条件を満たした試験の論文を集め、内容を厳しく吟味して、その結果を報告したものが多い。
また、メタアナリシスとは、過去に行われた複数の臨床試験の結果を、統計学の手法を用いてまとめ、全体としてどのような傾向が見られるかを解析する研究手法である。一つ一つの試験では、はっきりとした結果が得られない場合でも、複数の試験の結果を統合すると、一定の傾向が見えてくることがある。
今後、論文を吟味して読む際に必要な知識を判りやすく解説する。
ランチタイムセミナー
7月18日(月祝)11:30-12:15 B会場(箱根西)
「顎関節症の病態分類と診断基準―臨床症例の提示とDC/TMDによる臨床診断―」
講 師: | 築山能大(九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座 インプラント・義歯補綴学分野) |
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平成27年度学会賞学術奨励賞受賞講演
7月18日(月祝) 12:55-13:25 A会場(箱根中)