口腔病学会例会のお知らせ(平成13年度)

平成13年6月 口腔病学会特別例会のお知らせ

特別例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成13年6月26日(火)17:00-19:00
会場:
東京医科歯科大学 歯学部 特別講堂(外来事務棟 4階)
演題:
Human Jaw Biomechanics
演者:
Dr. Christopher C. Peck BDS MSc(Dent) PhD,
Asst. Professor-Orofacial Pain and TMD, ブリティッシュコロンビア大学助教授
要旨:

人間の顎関節は、その形態や周囲筋,歯列等の構造に制約を受けながら機能している。顎関節症の機序を理解し解明するためには,これら因子の相互関係と機能的解剖学を明らかにすべきであるが,ヒトにおいて各種因子を直接測定することは,in vivoにおいて起こりえる種々の問題を解決することがまず必要となる。これらの困難を回避するためのアプローチとして,顎関節を,動的な数学的モデル化することにより,生体における顎関節の形態を最良の条件でシミュレートし,解剖学的かつ機能的なデータを提示できるような,顎モデルを開発した。このモデルでは,顎関節の形態や靱帯,筋の緊張などを操作することにより,機能に対する影響を追求可能であるため,様々な筋活動による顎関節への影響を解析し,顎運動を規制する様々な因子を明らかにすることができる。顎関節の構造と機能の関係をより深く理解し,生体を直接測定するための足がかりとなる本モデルについて,最新の知見を加えて,本講演でご紹介したい。

担当:
口腔機能再構築学系専攻摂食機能保存学講座摂食機能保存学分野

平成13年5月 口腔病学会例会のお知らせ

5月例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成13年5月10日(木)17:00-18:30
会場:
東京医科歯科大学 歯学部 特別講堂(外来事務棟 4階)
演題1:
義歯床用軟質裏装材とその応用
演者1:
早川 巖 教授(摂食機能回復学講座 摂食機能評価学分野)
要旨1:

床縁が適切に延長され、人工歯の配列位置や、咬合関係にも問題がなく、維持安定も良好であると思われるのに、咀嚼時に義歯床下に疼痛があり、どうしてもそれが解消できないことがある。顎堤が著しく吸収している症例では、吸収に伴って被覆粘膜も菲薄になっているので、床下粘膜にショック・アブゾーバーの働きがなくなり、咬合圧が緩和されることなく直接顎骨に伝えられるので、顎堤の負担が増大される。加えて、硬い義歯床と弾力性のない歯槽骨との間に挟まれた薄い粘膜は、咬合するたびに絞めつけられ、傷つき、痛みを発することになる。このように粘膜が菲薄な症例では、さらに一歩進んだ対策を迫られる。すなわち、義歯床内面を粘膜と類似した軟らかい材料で裏打ちして、失われた顎堤粘膜の粘弾性を補い、そのクッション作用で咬合時の衝撃を緩和し、かつ顎堤全域へ圧力を均等に分散することで疼痛の解消をはからなければならない。この裏打ちに用いる材料が義歯床用軟質裏装材である。昨今では広く一般に用いられるようになり、義歯使用時の疼痛緩和を図る有用な材料として定着してきているようである。

今回は、軟質裏装材の裏装が咀嚼機能に及ぼす影響、すなわち裏装することによって咬合力、咀嚼能率、咀嚼筋筋活動、咀嚼運動にどのような影響が現れるかについての研究結果なども加え、軟質裏装材について総合的に考えてみたい。

演題2:
口腔癌治療における機能温存と再建手術
演者2:
小村 健 教授(口腔機能再建学講座 口腔機能再建学分野)
要旨2:

口腔は咀嚼、摂食嚥下、発音など日常生活に必要不可欠な機能を担っているが、ここに発生する癌は、早期には自覚症状が乏しく、癌特有の症状がないこと、さらには一般臨床医にその病態が理解されていないことなどの理由から、早期に発見・診断されることが少なく、専門病院を訪れた時にはすでに進行癌であることも少なくない。

従来、口腔癌の治療は外科療法と放射線療法がその主体をなして、その5年生存率は約50%前後であった。しかし、最近25年間に、画像診断による診断精度の向上、集学的治療の進歩に加え、再建外科手術の導入により、手術の適応範囲は著しく拡大しその治療成績も約20%向上したとされている。

また、今日では、単に癌の治癒率のみならず、治療後の形態や機能障害を可及的に少なくするなど、quality of lifeを考慮に入れた治療法、また治療後の二次発癌を回避する治療法が選択される傾向にある。すなわち前者では術前の集学的治療により縮小手術と外科療法への再建外科、特に微小血管吻合による遊離組織移植の導入が挙げられる。後者では早期癌に対する外科療法の積極的な導入が挙げられる。

講演では自験例を中心にした最近の口腔癌治療について述べる。

担当:
集会担当口腔老化制御学分野
植松 宏,大渡凡人
(連絡先:内線 5559)

平成13年4月 口腔病学会特別例会のお知らせ

特別例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成13年4月24日(火)16:00-17:00
会場:
歯学部 校舎棟3F 第3講義室
演題:
PHYSIOLOGIC SURGERY FOR CLEFT LIP AND PALATE: THE WAY OF THE FUTURE
演者:
David S Precious DDS MSc FRCDC FICD FACD FADI Professor and Chair
Department of Oral and Maxillofacial Sciences
Dalhousie University Halifax, Nova Scotia, Canada
要旨:

担当:
口腔機能再建学講座口腔機能再建学
小村 健
(連絡先:内線 5505)

平成13年2月 口腔病学会例会のお知らせ

2月例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成13年2月1日(木)17:30-19:00
会場:
東京医科歯科大学歯学部 特別講堂(4階)
演題:
高齢社会における歯科医療の在り方
演者:
瀧口 徹 先生(厚生労働省医政局歯科保健課長)
要旨:

介護保険も始まりましたが,高齢社会において歯科が果たすべき役割について,お話を伺う予定です。
多くの会員の皆様のご参加をお待ちします。

集会担当口腔老化制御学分野
植松 宏,大渡凡人
(連絡先:内線 5559)

[東京医科歯科大学歯学部ホームページ]