口腔病学会例会のお知らせ(平成12年度)

平成12年11月 口腔病学会特別例会のお知らせ

特別例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成12年11月21日(火)17:00-
会場:
東京医科歯科大学 歯学部 特別講堂(外来事務棟 4階)
演題1:
Tissue Engineering: From Science to Clinical Dentistry
演者1:
Dr. Martha J. Somerman(ミシガン大学教授)
要旨1:

歯周組織再生療法のゴールは疾病によって失われた歯周組織を回復させる事であるが、これには骨、セメント質、そして歯根膜の再生が必要となる。これらの組織再生を考える一つの鍵はまずそれぞれの組織の発生に関わる因子を突き止めることである。演者らはセメント質形成、歯根膜形成並びに石灰化のメカニズムについて着目し、IGF,PDGF,BMPs,PTHrP,Emdogainといった因子の歯小嚢細胞、歯根膜細胞、セメント芽細胞に対する影響をin vitroとin vivoの系で検索している。

BSP、OCといった硬組織関連遺伝子の発現は歯小嚢細胞に認められた。また培養セメント芽細胞においても培養8日までBSP,OCの発現が認められ、石灰化ノジュール形成も認められた。しかしながらin vitroの系では歯小嚢細胞は18日までに同様に硬組織形成の促進が 認められたが、in vivoの系では認められなかった。またセメント芽細胞ならびに歯小嚢細胞による石灰化ノジュール形成はEmdogain、PDGF,PTHrPによって阻害され、硬組織形成に関連する遺伝子発現も同様に阻止された。当日はこれらの実験結果が予知性の高い歯周組織再生療法のためにいかに重要であるかについて講演される予定である。

演題2:
Guided Tissue/ Bone Regeneration Utilizing Collagen Membranes and Absorbable Pins
演者2:
Dr. Hom-Lay Wang (ミシガン大学助教授)
要旨2:

近年、吸収性コラーゲンメンブレンを用いた方法が組織再生誘導法(GTR法)、骨再生誘導法(GBR法)、歯根被覆に応用されてきている。本公演に於いては生体吸収性コラーゲン膜使用の理論的な背景、詳細な臨床方法について、またin vitroの研究、動物実験から得られた結果ならびに安全性について、とりわけ吸収性メンブレンを用いた、歯周組織欠損、歯根被覆、無歯顎部位のリッジオーグメンテーション、即時インプラント埋入時、歯肉の開裂、サイナスグラフティング、インプラント処置の失敗例への応用について実際の臨床例を中心に概説される予定である。加えてOP-1 (Osteogenic Protein)の歯周組織再生への臨床例応用についての最新の知見についても述べられることとなっている。

担当:
歯周病学講座
石川 烈 (内線 5488)

平成12年10月 口腔病学会例会のお知らせ

10月例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成12年10月5日(木)17:00-18:30
会場:
東京医科歯科大学 歯学部 特別講堂(外来事務棟4階)
演題1:
2015年 医療のグランドデザイン
演者1:
川渕 孝一 教授(医療経済学分野)
要旨1:

人類は、農業革命、産業革命を通じて、社会を進化させてきました。それに続いて現在、情報革命が進行しつつあるということを、日常生活の変化を通じて実感されることも多いのではないかと思います。しかし、転換の時代を迎えて、わが国の社会経済基盤は大きく揺らいでおります。間もなく人口は減少を始め、経済は停滞し中長期的にも高度成長は望めず、高齢化は世界一のスピードで進みつつあります。

医療の分野についても同様であります。高齢化の進展は医療制度や医療保険制度の安定性を揺るがせつつあり、一方、遺伝子解読や情報処理システムの進歩は、医療の質やあり方を大きく変えようとしています。つまり、「混乱の中の変革」という時代背景にあるといえます。このような時こそ、将来のあるべき姿と大胆な政策の提示が必要とされるのではないでしょうか。そういう意味で、日本医師会が提示した「2015年 医療のグランドデザイン」は不透明なわが国の医療界に一石を投じたと考えます。そこで本発表では、私自身も作成に関与した日医のグランドデザインを概説し、わが国の医療保険制度改革の方向についても若干のコメントを加えたいと考えます。

演題2:
難治性口腔・顎・顔面痛について
演者2:
鈴木 長明 教授(疼痛制御学分野)
要旨2:

口腔・顎・顔面領域においては痛みを主訴とする疾患が数多くみられる。そのうち治療に難渋する場合も少なくない。それには、原因が明らかではあるが究明しづらい場合、ニューロパシックペインの可能性、心因性因子の関与、原因が未だ明らかではない場合、治療法が確立していない場合などさまざまである。

そこで、今回はこれらの難治症例に対して現在どのように対処しているかという点につき、実例をもとにして報告する。

担当:
口腔病学会集会係
口腔老化制御学講座
植松 宏
(連絡先:内線 5559)

平成12年10月 口腔病学会特別例会のお知らせ

特別例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成12年10月10日(火)17:00-18:30
会場:
東京医科歯科大学 歯学部 特別講堂(外来事務棟 4階)
演題1:
免疫学 ―口腔病へのアプローチ―
演者1:
東 みゆき 教授(大学院医歯学総合研究科 口腔機能再構築学系分子免疫分野)
要旨1:

生体における様々な反応の中で,免疫反応の特殊性は抗原認識に基づいて特異的に行われるということです。特に,T細胞は抗原提示細胞(APC)によって提示された抗原を認識しますが,このT-APC間相互反応には,様々な細胞表面機能分子が関わっていることが明らかにされています。そのなかでも,CD28を代表とするCD28ファミリー分子群は,T細胞にとって活性化/不活化/細胞死の運命を決定する重要な分子群で,様々な疾患に関わっています。本講演では,私の現在までの研究を紹介するとともに,口腔疾患の病態解析と治療にこれらの研究がどのように発展できるかを考えてみたいと思います。

演題2:
法歯学
演者2:
茅野 照雄 教授(大学院医歯学総合研究科 環境社会医歯学系国際健康開発学講座法歯学分野)
要旨2:

本学に新たにできた法歯学分野は国立の機関としては初めてのものです。本講演では、法歯学が基盤とする司法医学とその実務である死体検査(法医解剖)、親子鑑定、個人識別及び物体検査等の一部を紹介・供覧し、環境社会の安全と法秩序維持、個人の基本的人権の擁護における、その存在意義と社会的使命を理解したいと思います。そして、司法医学における法歯学の参画と可能性について紹介します。

担当:
口腔病学会集会係
口腔老化制御学講座
植松 宏
(連絡先:内線 5559)

平成12年5月 口腔病学会特別例会のお知らせ

特別例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成12年5月30日(火)17:30-
会場:
東京医科歯科大学 歯学部 特別講堂(外来事務棟 4階)
演題:
最近の科学の変革とJDRの使命
演者:
Prof.Mark C. Herzberg
ミネソタ大学教授
Journal of Dental Reseach編集委員長
要旨:

著しい発展が分子生物学、遺伝学、生物工学、コンピューター科学などの 中から生まれている。生体親和性のあるインプラントだけでなく、歯の成長にお ける分子信号も解明しつつある。さらに遺伝性のデータベースから病気の遺伝学 的なメカニズムを解析することができるようになった。これによって新しい予防 の手段や治療法を確立し、患者に対する治療が経験的なものに頼ることをより少 なくすることができる。学術雑誌はこれらの進歩に遅れないよう対応していかな ければならない。出版に関する投稿、査読、返信などのコミュニケーションの過 程ももっと素早くなされなければならない。 国際的な科学雑誌に発表するためには1)斬新な仮説 2)確かなデータ 3) 明確なプレゼンテーションがなければならない。

担当:
口腔病学会集会係
口腔老化制御学講座
植松 宏
(連絡先:内線 5559)

平成12年5月 口腔病学会例会のお知らせ

5月例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成12年5月11日(木)17:00-18:30
会場:
東京医科歯科大学 歯学部 特別講堂(外来事務棟 4階)
演題1:
オーラルヘルスプロモーション ―21世紀の健康戦略―
演者1:
川口 陽子 教授(大学院医歯学総合研究科 国際健康開発学講座 健康推進歯学分野)
要旨1:

近年、社会状況は急速に変化し、生活様式、社会構造、疾病構造、価値観などは大きな変革を示し、誰もが幸福で健康な生活を求めて、生きがいやQOLを追求する時代となりました。

歯科医師には、従来の診療室で提供する治療中心の歯科医療に加えて、地域社会でも活動を行う予防・ヘルスプロモーション志向の歯科医療が求められています。

21世紀の健康戦略と呼ばれるヘルスプロモーションを、歯科的視点から述べてみたいと思います。

演題2:
骨、歯周組織の再生に関する研究と、その臨床応用への可能性
演者2:
春日井 昇平 教授(大学院医歯学総合研究科 摂食機能回復学講座 摂食機能制御学分野)
要旨2:

歯科治療は、口腔組織の欠損部を材料により補填することによりおこなわれてきました。一方、組織再生法は組織の治癒力を利用する方法であり、今後歯科臨床においてますます応用される方法であると考えられます。骨と歯周組織の構成細胞に関する基礎研究をベースに、これら二つの組織再生に関する研究を私はおこなってきました。現在までの研究を紹介し、効率的な骨の増加法、さらに歯根膜組織を有する人工歯根開発の可能性についてお話いたします。

担当:
口腔病学会集会係
口腔老化制御学講座
植松 宏
(連絡先:内線 5559)

平成12年4月 口腔病学会特別例会のお知らせ

特別例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成12年4月21日(金)15:30-17:00
会場:
1号館(管理棟) 9階 特別講堂
演題:
Biological Mineralization in Bones and Teeth: An Immunocytochemical Perspective
演者:
Prof. Antonio Nanci (Laboratory for the Study of Calcified Tissues and Biomaterials Faculty of Dentistry, University of Montreal)

平成12年4月 口腔病学会特別例会のお知らせ

特別例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。

日時:
平成12年4月21日(金)17:00-18:30
会場:
歯学部 特別講堂(外来事務棟 4階)
演題:
Near Infrared Spectroscopy for the Analysis of Dental Polymers
演者:
Dr. Jeffrey Wison Stansbury(アメリカ国立標準技術局歯科医科材料学部門)

[東京医科歯科大学歯学部ホームページ]