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理事長挨拶

次の世代を育てる歯科衛生教育学会に向けて

理事長 畠中 能子

理事長 畠中 能子
(関西女子短期大学歯科衛生学科 教授)

日本歯科衛生教育学会の会員の皆様、2025年度より理事長を拝命いたしました畠中能子です。どうぞよろしくお願い申し上げます。初代の松田裕子先生、二代目の高阪利美先生、三代目の石川裕子先生の後任に、四代目として名を連ねることを、大変光栄に感じるとともに、経験したことのない重い責任を感じております。

さて、会員の皆様は本会の目的をご存知でしょうか。入会しているという認識はあっても、どんな目的か気にかけたこともなかった方が多いのではないでしょうか。本会の目的は、「歯科保健・医療・福祉の社会的な要請に応えるべく、歯科衛生学教育の向上を目指すとともに、歯科衛生学の発展に寄与すること」です。その目的達成のために、①総会の開催、②学術大会の開催、③学術誌「日本歯科衛生教育学会雑誌(日衛教育誌)」の刊行、④歯科衛生学教育に関する研究および情報交換、⑤その他と必要な事業を挙げています。この歯科衛生士に求められる「歯科保健・医療・福祉の社会的な要請」とはどのようなものでしょうか。

社会的な要請は、激変する社会状況のなか時代のニーズによって変化します。歯科衛生士の歯科診療補助の業務範囲の拡大、特に局所麻酔のことは最たるもので、これからもっと注目されるでしょう。むしろ、どのような状況下にあっても、問題解決に向けて課題に取り組むしなやかな対応力が、歯科衛生士にますます求められるかと思います。本会が社会的な要請に応え、歯科衛生学の発展に寄与していくためには、社会状況を読み取る力や対応する教育方法を考えることが必要になります。それにはマンパワーが必要です。現在、本会のマンパワー(正会員数)は、過去5年間をみると約800名で推移しています。一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会が毎年4月に実施している「歯科衛生士教育に関する現状調査」の結果報告では、令和6年の調査対象183校の専任教員数は合計1,323名でした(歯科衛生士1,044名、歯科医師177名)。この約800名のすべてが歯科衛生士養成機関の教員とは限りませんが、専任教員の約6割は本会の会員と考えられます。これから本会が継続して成り立ってゆくには、若い世代の歯科衛生士の教員の存在は欠かせないものです。これからの歯科衛生学教育の向上・発展のために、若い世代の会員数の増加をはからなければなりません。一人でも多くの方が少しでも興味を持っていただけるような学会にしたいと考えております。

上記に記しました①から⑤までの事業でも、②学術大会の開催および③学術誌の刊行は、本会の重要な事業です。会員の皆様の日ごろの教育活動・研究の成果を学術大会で発表し、その場で会員と意見交換できるのは、歯科衛生士の教育に携わっている者同士だからこそできる「学びの場」となります。また、発表した内容を論文にまとめ、本学術誌に公表することは、歯科衛生学の体系化につながる礎となります。 ここで、皆様に認識しておいていただきたいことがあります。それは本学会雑誌が16巻1号(2025年5月発刊予定)から電子化に移行することです。昨今の郵送料金の値上げ、製版にかかわる費用の高騰から、紙媒体の継続は難しくなりました。具体的な閲覧方法は、本会のウェブサイトで広報して参ります。なにとぞご理解くださいますようお願い申し上げます。

学会の委員会活動については、編集委員会が学術誌にかかわる業務を、歯科衛生学教育に関する研究および教育方法の情報交換は、本学会の学術委員会、教育活動委員会が活発に活動を行っております。研究倫理審査委員会、利益相反委員会も、研究を進める上で必ず通る道を、わかりやすくオンデマンド配信でいつでも皆様にご視聴いただけるように企画して実施しています。新たな役員で2025年度が始まりますが、今後も会員の皆様と歯科衛生学教育に寄与できる学会にしてゆくために努力する所存です。なにとぞ皆様のご支援をいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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