治療を繰り返しても治らない方へ

難治性の顎関節症とはどういうものですか?

難治性の顎関節症には、他の病気、例えば線維筋痛症やうつ病等が同時にある場合があります。

また、顎関節症の痛みが、慢性疼痛と呼ばれる長期化した状態の方がおりますが、まだ、原因はよく分かっていません。

さらに、他の病気が原因であごの痛みや口が開かない等の症状が出ている場合がありますので、専門医のいる医療機関でご相談下さい。

他の病気が併存する場合はどうすればいいですか?

顎関節症の患者さんには、顎関節症だけの方と、それ以外の病気を同時に持っている方がおります。

歯科の病気では、むし歯や歯周病、また、歯の欠損や親知らずの炎症などが同時にある場合があります。また、医科の病気では関節リウマチや膠原病などを持っている方がおります。これらは、顎関節症とその他の病気が相互に関係している場合と、特に関連性がない場合があります。

顎関節症と歯科疾患が同時にある方は、歯科医にご相談下さい。一方、顎関節症と医科の病気がある場合は、歯科と医科で連携して治療する必要がある場合があります。このような場合は、専門医にご相談下さい。

心理的要因により難治化している場合とは?
またそのときはどのようにするのですか?

顎関節症は、病気に対して過剰な不安を抱いたときに、しばしば難治化するということがよく知られています。「大変な病気にかかってしまった!」と誤解してショックを受けたり、咬み合わせの調整などがきっかけで悪化する事があります。

また、もともとパニック障害やうつ病などがある方では、それらの病気が痛みの感じ方に影響を与えることがあります。必要によっては、精神科医と連携して治療することもあります。

顎関節症で外科的対応が必要な場合はどんな時ですか?

顎関節内部の関節円板や顎の骨の変形が大きく、生活指導、理学療法、薬物療法やアプライアンス療法等の治療を行っても、強いあごの痛みが改善せず、口が開かないような場合には手術を行うことは非常にまれですが、パンピングマニピュレーション療法や顎関節洗浄療法などの外科的療法(保険適応)があります。専門医のいる医療機関の歯科口腔外科でご相談ください。