- なぜ開けるとき痛いのですか?
顎関節症の痛みは、大きく分けると顎関節と咀嚼筋の痛みになります。そして、そのどちらか、あるいは、両方に痛みがある方がいます。顎関節の痛みは、顎関節周囲に炎症がある場合や、また、咀嚼筋の痛みは、筋・筋膜痛(局所と中枢の問題が関係している)が生じている場合などがあります。
しかし、顎関節症に限らず、痛みは、「侵害受容性(局所の炎症などの問題が関係している)、神経障害性(局所から中枢までの神経系の問題が関係している)、心因性(環境や性格などの問題が関係している)、さらに原因の不明な特発性」があります。顎関節症の患者さんの中にも、顎関節や咀嚼筋の傷害だけでは説明のつかない痛みもあり、心理的あるいは社会的なストレスが関係している方もおりますので、強い痛いが続く時には、日本顎関節学会などの専門医の診察をお勧めします。
- なぜ口が開かなくなるのですか?
顎関節症では、顎関節内部の関節円板がずれて、関節の動きを妨げている場合や、咀嚼筋の痛みのためにあごが動かせない場合があります。また、痛みのために口を大きく開けないで、使わないでいることで、顎関節や咀嚼筋の運動が制限されてしまうことがあります。
一方、口が開けにくくなる疾患は、炎症や腫瘍など他にもありますから、自己判断せずに医療機関を受診されることをお勧めします。
- なぜ開けると音がするのですか?
顎関節内部の関節円板がずれている時に、あごが動いた際に引っかかって音がすることや、顎関節を構成している骨の形が変化して、こすれあったような音がすることがあります。
また、人によっては、大きく口を開けると、関節の前の突起を乗り越えることがあり、その際にガクンと音がすることもあります。