新編 顎関節症 第3版
編 集 | 一般社団法人 日本顎関節学会 |
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発 行 | 株式会社 永末書店 |
形 態 | B5判 オールカラー 240頁 |
購 入 | 下記よりご購入いただけます。 永末書店オンラインショップ |
学会の専門医・指導医等の資格試験のテキストとしてもご利用いただけます。
特徴
日本顎関節学会が発表した「顎関節症初期治療診療ガイドライン2023 改訂版」、「顎関節症治療の指針2020」、「顎関節症の診断基準2019」、「顎関節人工関節全置換術の適正臨床指針」や画像診断の進歩、口腔内装置治療の考え方などの新知見から、「新編顎関節症改訂版」で追加・修正すべき内容を精選して盛り込んだ待望の第3版が刊行。
目次、専門用語が整理され、「一般社団法人 日本顎関節学会専門医制度・研修カリキュラム」をより見やすく整理し、症例写真の見直し、図表のカラー化や新規の追加もされてリニューアル。また、「DC/TMDの日本語版(日本顎関節学会診断決定樹を含む)」も巻末に掲載。
目次
Ⅰ.顎関節症の疾患概念
1-1.顎関節症の概念
- 1)顎関節症の概念
- 2)顎関節症の診断基準
1-2.顎関節症の病態分類
- 1)病態分類
- 2)咀嚼筋痛障害(Ⅰ型)
- 3)顎関節痛障害(Ⅱ型)
- 4)顎関節円板障害(Ⅲ型)
- 5)変形性顎関節症(Ⅳ型)
1-3.顎関節症の疫学的特徴
- 1)患者数
- 2)年齢分布
- 3)性差
- 4)自然経過
1-4.顎関節症の発症メカニズムと症候,継発する病態
- 1)多因子説
- 2)リスク因子
- 3)顎関節症の発症メカニズム
- 4)咀嚼筋痛
- 5)顎関節痛
- 6)顎関節雑音
- 7)開口障害・顎運動異常(閉口障害を含む)
- 8)咬合異常
Ⅱ.顎関節症の診断,治療に必要な基本知識
1.顎口腔系の構造
- 1)顎関節を構成する骨・関節軟骨
- 2)歯・歯列
- 3)咀嚼筋と関連筋
- 4)顎関節の神経系
- 5)顎関節の脈管系
- 6)顎関節の構造
- 7)顎関節の構成要素
2-1.顎口腔系の機能
- 1)神経筋機構
- 2)咀嚼
- 3)開口
- 4)嚥下
- 5)構音
2-2.咬合・顎運動
- 1)顎運動
- 2)下顎位
- 3)咬合接触
- 4)咬合力
- 5)顎関節負荷と生体反応
2-3.顎口腔系の非機能的運動・習癖
- 1)ブラキシズム
- 2)習癖・異常運動
- 3)姿勢
3.顎口腔系の発生,成長・発育,加齢変化
- 1)頭蓋・顎顔面の発生
- 2)顎関節の成長発育と歯列・咬合
- 3)成長に伴う最大開口距離の変化
- 4)顎関節における骨のモデリングとリモデリング
4.痛みの基本
- 1)痛みの発生メカニズム
- 2)痛みの伝導路,伝達物質
- 3)痛みの抑制系
- 4)発生メカニズムによる痛みの分類
- 5)慢性疼痛
- 6)異所性疼痛 関連痛とそのメカニズム
5.心身医学・精神医学の基本
- 1)心身医学と精神医学
- 2)心身症と歯科心身症
- 3)咬合違和感症候群
- 4)不定愁訴
- 5)おわりに
Ⅲ.顎関節症の診断,治療における診察と検査
1.医療面接
- 1)主訴
- 2)現病歴
- 3)既往歴
- 4)家族歴
- 5)生活歴
- 6)障害・痛み
- 7)QOL
- 8)社会・心理的状況
- 9)生活習慣,習癖
- 10)質問票
2.顎関節,咀嚼筋,顎運動などの診察
- 1)顎関節
- 2)咀嚼筋
- 3)顎運動
- 4)その他
- 5)まとめ
3.口腔内の診察
- 1)歯,歯槽骨
- 2)歯列,咬合接触,下顎位
- 3)口腔軟組織
4-1.画像検査と所見
- 1)パノラマX線撮影法
- 2)パノラマ顎関節撮影法(4分割)
- 3)頭部X線規格撮影法
- 4)コンピュータ断層撮影(CT)
- 5)MRI(磁気共鳴撮像法)
- 6)造影法
- 7)核医学検査
- 8)超音波検査(超音波診断)
4-2.血液検査と所見
- 1)血液検査と鑑別すべき疾患
4-3.顎口腔機能検査と所見
- 1)下顎運動検査
- 2)筋機能検査
- 3)咬合検査
4-4.関節鏡検査
- 1)関節鏡検査の意義と特性
- 2)顎関節症の鑑別診断
- 3)顎関節症の病態診断
4-5.滑液検査
- 1)滑液の組成と機能
- 2)顎関節滑液の生化学的分析
5.学校歯科健診
- 1)学校歯科健診における顎関節診察の意義
- 2)健康診断時に注意すべき顎関節の状態についての理解
- 3)学校歯科健診における顎関節の診察および判定基準
- 4)健診後の留意点
- 5)顎関節の「定期的観察が必要な者」への指導
- 6)学校歯科健診の結果から
- 7)学校歯科健診の問題点
コラム DC/TMD
Ⅳ.顎関節症の診断
1.顎関節症の病態
- 1)咀嚼筋痛障害(Ⅰ型)
- 2)顎関節痛障害(Ⅱ型)
- 3)顎関節円板障害(Ⅲ型)
- 4)変形性顎関節症(Ⅳ型)
2.顎関節症以外の顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害
- 1)顎関節の疾患あるいは障害
- 2)咀嚼筋の疾患あるいは障害
- 3)全身疾患に起因する顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害
3.顎関節症と鑑別を要する疾患あるいは障害
- 1)頭蓋内疾患
- 2)隣接臓器の疾患
- 3)筋骨格系の疾患
- 4)心臓・血管系の疾患
- 5)神経系の疾患
- 6)頭痛
- 7)精神神経学的疾患
- 8)その他の全身疾患
Ⅴ.顎関節症の治療および管理
1.顎関節症の治療と管理目標
- 1)咀嚼筋痛障害(Ⅰ型)の基本治療
- 2)顎関節痛障害(Ⅱ型)の基本治療
- 3)復位性顎関節円板障害(Ⅲa型)の基本治療
- 4)非復位性顎関節円板障害(Ⅲb型)の基本治療
- 5)変形性顎関節症(Ⅳ型)の基本治療
- 6)顎関節症の専門治療
- 7)顎関節症のメインテナンス
2.診療ガイドラインの概略
- 1)診療ガイドライン作成の背景と本書ならびに指針との関係
- 2)日本顎関節学会の診療ガイドラインの特徴
- 3)診療ガイドラインで選ばれた臨床の疑問
- 4)診療ガイドラインを理解するために
- 5)診療ガイドラインの概略
- 6)診療ガイドラインの誤解と世界の動向
- 7)まとめ
3.生活指導および習癖の指導
- 1)ホームケア
4.理学療法
- 1)理学療法の作用機序
- 2)理学療法の種類
- 3)理学療法適応の留意点
5.薬物療法
- 1)非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)・アセトアミノフェン
- 2)咀嚼筋痛
- 3)顎関節痛
- 4)ステロイド・ヒアルロン酸
- 5)慢性疼痛・治療抵抗性の症例
- 6)薬物治療の副作用
6.アプライアンス療法
- 1)アプライアンス療法とは
- 2)アプライアンスの種類と特徴
7.咬合治療
- 1)咬合調整
- 2)補綴歯科治療
- 3)矯正歯科治療
8.外科的療法
- 1)パンピングマニピュレーション(顎関節腔麻酔による徒手的顎関節授動術),顎関節上関節腔洗浄療法(アルスロセンテーシス)
- 2)顎関節鏡視下手術
- 3)顎関節開放手術
- 4)顎関節人工関節全置換術
Ⅵ.心身医学・精神医学的な対応
1.心身医学・精神医学的な対応はなぜ必要か
- 1)多軸診断の必要性
- 2)身体疾患と精神疾患との関係
2.心身医学・精神医学的対応に向けての評価
- 1)精神医学的医療面接
- 2)心理検査・評価尺度
3.心身医学・精神医学的な対応
- 1)心身医学療法
- 2)薬物療法
- 3)精神科との連携
Ⅶ.医療安全,医療倫理,感染予防対策,個人情報保護に沿った診療を実施するために必要な知識
1.医療安全
- 1)医療安全とは
- 2)顎関節症診療にあたっての医療安全
2.医療倫理
- 1)医療倫理とは
3.インフォームド・コンセント
- 1)インフォームド・コンセントとは
- 2)インフォームド・コンセントを実践するうえでの留意点
- 3)共有意思決定
4.感染予防対策
- 1)感染予防対策とは
- 2)標準予防策
5.個人情報保護
Ⅷ.研修および専門医制度
1.日本顎関節学会認定制度
- 1)認定医
- 2)専門医
- 3)指導医
- 4)研修機関
Ⅸ.研修カリキュラムおよび到達度の評価
1.研修カリキュラム
2.到達度の評価
資料
索引